帰国子女|英語保持の具体的方法がわかるおススメの本

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子どもを連れて帰国が決まると気になること、心配なことは色々あります。その中の一つとして英語保持があるでしょう。私の息子は小学二年生の時にオーストラリアに行って、1年3か月滞在しました。

それまでおうち英語で読み書きを含めてベースはあったので、日本に帰ってから英語保持にはどうしたらよいかある程度はわかっていました。それでも不安があるし、確かな情報が欲しいと思います。

インターネットでも情報収集はできますが、英語に関する情報は玉石混交で信頼性に欠けるものもあります。そんな時は理論と経験に基づいて書かれてある本を読むと良いです。

今回の記事では私が実際に購入して読み、時々読み返している本をご紹介します。

帰国子女 帰国の前に親子で読む本

帰国子女を持つ親にとってかなり重宝する一冊です。帰国してからの英語保持・向上の仕方、帰国子女向けの英語クラスがある学校・入試情報、日本の学校生活の体験談などが取り上げられています。


帰国子女-帰国する前に親子で読む本

この本の好きなところ

私はこの本で好きなところがいくつかあるのですが、まず「はじめに」の部分です。これでぐぐっと引きつけられます。帰国子女のことをヒーローに例えています。

確かに言葉も通じない、友達もいない国に行って、大変なこともありますが次第に味方ができます。日本にずっと住んでいる子には想像もできないような苦労を乗り越えて、宝物を手にすると。その一つは外国語だと著者は述べています。

次に好きなところはさすがにアメリカ人が書いた本だけあって、英語の学習方法について長所・短所両面を書いているところです。バイアスがかかっている文章は説得力がないです。一歩離れたところで、客観的に書かれてある文が私は好きです。

著者は帰国子女アカデミーという有名なスクールを経営しているので、ビジネスライクなのかな?と思ったのですが、人間性がこの本ににじみでているように思いました。

教師が抱える悩みや苦しみに共感できたし、1人1人と向き合っていなければ書けないことが多くありました。

知らなかった「迷信」とは?

ん?そうなの?と思ったのは、

迷信2 帰国してからしばらくの間は日本語に集中して英語から離れても大丈夫。もし英語を少し忘れてしまっても、後から取り戻せる。

というところです。私がよく言われていたのは真逆というか、小さい頃に外国に行ってその時は話せても、日本に帰ればすぐ忘れるということでした。

迷信2があることは知りませんでした。このことについてはご紹介する2冊目の本でも触れようと思います。

繰り返し読んでいるところ

私が一番活用すると思う部分は、第一章のヒーローの英語力の伸ばし方です。これは帰国子女に限らず、おうち英語で力をつけた日本育ちの子にも参考になると思います。

家庭で多読に取り組んでいる子は多いと思います。ORTなどレベル別の本で読解力を段階的に上げていきます。英語に熱心な親ならその効果を知っていて、実践しているでしょう。

またYou TubeやNetflixで映画やテレビ番組を見たり、かけ流しで多聴する。これも定着してきているのかな?と思います。

この本で取り上げられているアプローチはそのようなやり方もありますが、プラスして短時間でできる非常に質が高い方法について書いてあります

音読

それはまず音読です。小学校に入ると、急激に国語(日本語)の力が上がって、英語はその波に押されていきます。一つの要因として学校の宿題である毎日の音読があります。

英語も音読が効果的です。あまりに普通というか、昔から言われている方法なので、ある程度読めるようになっていたら音読というのも違和感があるかもしれません。

著者はスピーキング力が落ちてしまった生徒たちに毎日5分の音読を夏休みにさせたら、かなり効果があって回復させることができたと書いています。

私の息子は日本語でも英語でも読むスピードはかなり速いです。あっという間に一冊読み終わります。でも雑です。きちんと内容を正確に把握しているかというとそうではありません。

内容理解の問題がついている精読用のワークでは、黙読後だと間違いを選ぶことが結構あります。音読をさせた後だと自分で間違いに気づきます。

音読とセットにした精読、多読をバランスよく組み合わせないといけないとこの本で気づかされました。

今取り組んでいる精読用のワークブックはこちらです。Grade3用です。結構面白いと言っています。考えて書く問題が最後についているのもいいなと思います。


Nonfiction Reading Comprehension: Grade 3

要約

音読よりも負荷が高いのが要約です。音読は自分で文を組み立てる必要はないのですが、要約はその作業が必要なのでスピーキング力をつけるのにダイレクトな効果があるでしょう。

息子にこれができるか心配だったのですが、効果がかなりあると思ったので、やらせてみました。News-O-maticが好きなので、一つの記事を読んだ後、どんな話だったか聞きました。

3文ぐらいなのですが、意外とできました。結構親としては感動するし、かなりほめやすいです。ほめまくると調子に乗ります。News-O-maticは毎朝の習慣にしていて、5記事を目安にしています。この口頭要約は続けていきたいです。

ちなみに文面要約もこの本では紹介されています。ライティングはどう進めていくかまだ検討中です。以前記事でとりあげたトピックについても書かせたいと思っています。

関連記事:ライティング(英語)|小学生でも書きやすい&書きたくなる!

書き写し

筆者は短時間、週に2、3回書き写すだけで効果があると書いています。これにはかなり納得しました。というのも日本語でも教科書の書き写しはかなり効果があるからです。

息子は読むのは得意ですが、運筆力もあまりなくて書くのは苦手です。作文の先生のアドバイスで、国語の教科書を毎日書き写すようにしました。それでだいぶスムーズになりました。

麻布中学の国語の先生の本でも教科書の書き写しの効果について書いてありました。この本はおススメです。


小学生のための読解力をつける魔法の本棚

英語の話に戻りますが、具体的な効果としては字がきれいになり、スペリング力があがるだけではなく、動詞や名詞にsをつける、冠詞や前置詞など細かいところに注意を払うようになり、スピーキングの正確度も上がるそうです。

日本語ではsや冠詞に相当するものはないので、スピーキングにしてもライティングにしても抜けやすいです。意味を伝えることはできるけど、文法的な正確性に欠けることで悩んでいたら、これは一つの解決策になるかもしれません。

単語の復習

単語帳を作ることがすすめられています。私自身は単語帳を作ったことなくて、たくさん本を読んだら知らなかった単語に何度も何度も出会うので、自然に覚えると思っていました。

語彙を増やすには読む以外にもあるみたいで、息子には上に紹介した精読・内容理解のワークブックで出てきた単語を書き留めるのをさせてみようかと思っています。

関連記事:英単語の語源図鑑|120%活用方法6つのステップ

私たちはいかにして英語を失うか 帰国子女の英語力を保持するためのヒント


【中古】 私たちはいかにして英語を失うか 帰国子女の英語力を保持するためのヒント /服部孝彦【著】,海外子女教育振興財団【編】 【中古】afb

こちらの本は中古での取り寄せになります。私は最近アマゾンで買ったのですが、今は楽天の中古で安く買えるようです。

この本を通じて新たなことを知ったり、今まで持っていた知識の整理もできました。

まず新たに知ったこととしては、「帰国したら子どもはすぐ英語を忘れる」ことに関してです。

完全に失ってしまう説と消えてなくなったのではなく存在はするがうまく引き出せない説があるそうです。

著者によると2番目の検索失敗説が今は有力なのだそうです。上手くヒントを与えれば思い出すことができるということです。

このことは知っておくと心の支えになりますね。他に知って良かったことは、流暢さは失われやすいけれども、それほど重要ではないとのこと。また戻れば流暢さは回復できるそうです。

聞く力、読む力は失われにくいので、これを利用してたくさんのインプットをするといいそうです。

この本も体験談が多く載っているので、参考になることが多いと思います。英語保持のための実践例もあります。

私は前半部分の理論的なことが読んでいて面白かったです。臨界期仮説についても書いてありました。

関連記事:臨界期仮説|英語は早く始めないとダメ?何歳までならOK?

まとめ

普段はインターネットを使って英語で情報収集することが多いのですが、日本語でじっくり本を読むのもいいなと思いました。

色々な理論は、日本の事情に合わせないと使い物にはなりません。日本で書かれた本はその点で学べることがたくさんあります。

私自身、息子に英語や異文化に対するポジティブな気持ちを見せながら、英語保持・向上につなげたいと思いました。

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コメント

  1. まんまるこ より:

    とても興味深く拝読しました。
    うちの子供たちも帰国子女でしたがブログ主おススメの音読を帰国後長い子で11年間くらい続けました。やはり音読は力つけると思います。子供達の音読を聞いた日々がとても懐かしいです。
    書き写しもいいですね。視写と銘打って小学生の生徒に中学の英語の教科書を写させています。もちろん何回も音読し内容を理解した後で。皆楽しんで取り組んでいます。

    ノンフィクションのリーダーとてもいい本ですね。買いたいと思ったけどもう少しレベルの低いものを購入したいと思います。国語力をつける本も面白そう。
    ブログ主のリサーチ力にいつも脱帽です!

  2. carley より:

    まんまるこさま
    いつも嬉しいコメントありがとうございます!!11年間とは素晴らしいですー!説得力あります^_^

    音読&視写コツコツさせますね。最近は紹介したnonfiction…のワークブックに出てくる長文を音読させてます。書かせるのはまださせてなくて早速!させようと思います。何文ぐらいとか目安はありますか?

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