「授業」という言葉にどんなイメージを持っていますか?先生が教室の前に立って、子どもに覚えさせたいことをしゃべって、黒板に書く。後日それをテストする。そんなイメージを持っていませんか?
毎日そんな授業をしている先生は生徒の人生に影響を与えることはできないでしょう。いつまでも生徒の心に残る授業とはどんな授業なのか?どんな先生が生徒をインスパイアすることができるのか?
私自身が心を揺さぶられたプレゼンテーションでは6つのC、特に6番目のCの大切さを紹介しています。残念ながら日本語字幕を見つけられなかったのですが、下に貼っていますので、英語がわかる方はぜひ見て欲しいと思います。
6つのCの説明や私なりの解釈や思ったことは書いたので、内容はわかると思います。読んでいただけると嬉しいです。
TED×Lafayette, Joe Ruhl, Teaching Methods for Inspiring the Students of the Future
目次
Choice 生徒に選ばせる
プレゼンターのJoe Ruhlは、学校のカフェテリアで生徒がその日食べるランチを選ぶのを楽しんでいるのを見て、授業でも生徒に選択肢を持たせるようにしたと言っています。
自分で選ぶ…それはやる気が高まります。私はオーストラリアの大学院でTESOL(英語教授法)を学んだのですが、Second Language Learning and Teachingという科目でエッセイを書くことになりました。
先生がエッセイのテーマを5つ設定していました。私たち学生はその中から一つ選んでエッセイを書きます。
5つ目のテーマは自分で設定していいが先生の了解が必要でした。私は5つ目のテーマを選び、先生と相談の上、「日本でコミュニカティブアプローチを実践する際に効果的な方法とは?」というタイトルで書くことになりました。
私はやる気満々でした。どんな方法が日本の子どもたちに受け入れられるのか?喜んで楽しんでくれるか、力がつくのか?夢中で調べてまとめました。
このエッセイは大学院の最後の課題だったのですが、終わったときは泣いていました。大変だったけど、こんなに楽しい時間が終わってしまった、相当なロスでした。
その科目だけではなく、全科目で学生の選択に基づいた課題は多かったです。日本の大学よりずっと楽しめて、夢中になれたのは選択できたからだったように思います。
Collaboration 生徒同士を協力させる
このプレゼンテーションでは、古代人がマンモスを集団で狩るのが例に出されています。マンモスは一人では狩ることはできないです。チームワークが必要です。
時代が変わっても一人では生きていけません。生徒の社会性が発達するように、ペアワークやグループワークを組み込むのが大切です。先生が一人でしゃべって、生徒は聞くだけ、そんな授業では社会性を育むことはできません。
私は日本という国はすごいと思っているし、日本人であることを誇りに思っています。でも好きではなく、オーストラリアの方がいいなと思うことが一つあります。それは競争しすぎることです。
私は大学院留学をする半年ぐらい前に、オーストラリアでピラティスインストラクター養成のコースを受けました。
日本ではすでに10年前に資格は取っていました。オーストラリアではペアワークとグループワークが多かったです。70%ぐらいはそうでした。
そしてそれがすごく楽しかったのです。私以外は全員オーストラリア人だったのですが、みんなすごく優しくて励ましてくれて、それは私に対してだけでなく皆が全員にそうだったのです。
長い時間を一緒に過ごしたグループの4人のスキルはそれぞれ違いました。バリバリ現役の人から、ピラティスは初めての人まで。でもいばることもないし、とにかく助け合っていました。
コースが終わって、オーストラリアはこれが普通の学び方なのではないか?と感じました。今度は大学院に行ってみたいと思うようになって、実現することができました。
日本の授業でペアワークやグループワークを多く取り入れても、それが楽しくなければ意味がないと思います。だれが上、下ではなくて、本当の意味で助け合うことができて初めて価値を持ちます。
Communication コミュニケーションの機会をたくさん作る
これは二番目のC:Collaborationと関係しています。マンモスをチームワークで狩るにはコミュニケーションが必要です。
先生からの一方的な説明や指示ではコミュニケーションがある授業とは言えません。先生と生徒のコミュニケーション、生徒同士のコミュニケーションがある授業にしないといけません。
Critical Thinking 批判的思考・問題解決能力を育てる
例えば「英語ができるように単語をたくさん覚えるのが大事です。」という意見があります。
それですぐそうだ!丸暗記しようとなるのではなく、単語をたくさん覚えたら本当に英語ができるようになるのか?なんでたくさん覚えたらできるようになるのか?たくさん覚えるにはどうしたらいいのか?
そう考えることが大事だということです。知識を伝える、覚えさせるのではなく、考える力を育てる授業が大事です。
アインシュタインがこのような言葉を言っています。
Education is not the learning of facts, but the training of the mind to think.
教育は事実を学ぶことではない。頭で考える訓練をすることだ。
Creativity 創造力を育てる
このプレゼンでは、2人の姉妹がお父さんとお母さんのジーンズを半分に切って、組み合わせた写真を紹介しています。お父さん、お母さんそれぞれの遺伝子を受け継いだことをすごくクリエイティブに表現しています。
最近の記事にも書いたのですが、私は息子に一番つけて欲しいと産まれた時から願っていたのが創造力でした。いろんなしかけを小さい頃からしてきたのですが、今はありすぎるぐらいになっています。
関連記事:バイリンガルキッズの強み10個|おうち英語をする理由
計算を速くするとか漢字がちゃんと書けるとか、そういうのもできて欲しいなと親は思うのですが、彼は新しいものを考えたり作ることをとても楽しんでいます。
創り出すことは、人間だけが持つ大きな楽しみなのです。
Caring 生徒を思いやる(先生の人間性)
このプレゼンテーションでは、生徒の部活やアルバイトについて聞く、廊下で元気かい?と声をかける、生徒の名前を覚えるのをがんばる、生徒の部活の試合や発表会に足を運ぶ、生徒の誕生日にはバースデイソングをクラス全員で歌う、そういう先生の行動を生徒は一番覚えるものだと言っています。
なぜ私がこの記事を書いたかというと、すごく自分がこの6ができていないことに気づいて数分間固まってしまったのです。すごく反省しました。
私は割と義務感は強いと思います。レッスンは楽しくしないといけない、生徒の英語力をつけさせないといけない、英検を受けさせるなら絶対に合格させないといけない…いつもそういうことばかり考えていました。
私は正直、そういうCaringをあまりやってきませんでした。恥ずかしいというのもあるし、それが自分の仕事ですごく大事なことだと知らなかったというか、考えていなかったのです。
これができている先生はいます。そういう先生が生徒の人生を変えるぐらいの影響を与えていると思います。
私は教員免許も持っているし、教員の時はたくさん研修も受けました。なのに知らなかったのです。教わったのにスルーしていた可能性も高いです。
意識しないまま12年間教える仕事をしてしまいました。
きっとこの記事を読んでいる方の中には、先生の卵やすでに教えている人もいると思います。私のようなしくじり先生にならず、プレゼンテーションでも一番強調されているCaringをやってほしいです。
まとめ
何を教えるのか、どう教えるのか、それも大事だけれどそればかりになりがちです。生徒は自分で学ぶ力を持っています。先生はサポーター役でしかないのです。
そんな最高の先生の最高の授業を受けてみたい、子どもに受けさせたい、もし先生ならしてみたいと思いませんか?
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